昨日、退職金金利優遇定期預金の記事でも書きましたが、定期預金のみのプランを廃止し、定期預金と投資信託(ファンド)のセットプランのみとしている銀行が多くあります。
さらに、定期預金のみのプランを扱っている銀行でも、必ずと言っていいほど、投資信託を勧められます。
また、退職者に限らず、一般の方を対象としたセットプランも多くの銀行で取り扱っており、大々的に宣伝していたりもします。
要は、銀行が売りたい商品なのです。
スポンサーリンク
定期預金とのセットプランは、高額な購入時手数料をとる投資信託の単なる割引セール。
投資信託と定期預金のセットプランでは、驚くほど高金利の定期預金が用意されています。
例えば、3カ月定期 年利7%なんてのもあります。
年利7%で500万円預けると、3か月後に約69,700円(税引き後)の利息を受け取ることが出来ます。
一方で、セットプランでは、定期預金と同額以上の投資信託を購入が条件となっている事が多くあります。(各金融機関により投資信託と定期預金の配分額の条件は異なります。)
購入時手数料2.16%の投資信託を500万円購入するとします。
購入時手数料は、108,000円です。
定期預金の利息なんて吹っ飛んでいきます。要は、通常108,000円かかるところを、約38,000円に割引しますよ、という事なんです。
しかも、定期預金に預けた500万円は3カ月拘束されてしまいます。
勿論、上記例では購入時手数料2.16%としましたが、もっと安い商品もあります。ただ購入時手数料無料(ノーロード)の投資信託は対象外となっている場合が殆どです。
投資信託と定期預金のセットプランは、定期預金でもらえる利息から投資信託の購入時手数料を引いた額で考えましょう。
その投資信託、本当に購入したいものですか?
セットプランの対象となっている投資信託、その商品が、本当に購入したいと思っているものであれば、高金利定期預金の利息分、割引されるので、ある意味お得とも言えます。
だけど、
本当に欲しい投資信託なのか、ちゃんと考えてみましょう。
投資信託は、購入時手数料の他、信託報酬という手数料がかかります。年間数%とられます。
一方、主にネット証券で販売しているインデックス型の投資信託(*)の場合、最近、低コスト化が進み、多くは0.5%以下、海外株式でも0.2%代という商品もあります。
(*)例えば、国内株式では日経平均やTOPIX等の指数に連動するよう運用される投資信託です。
セットパックとなっている投資信託、これら低コストのインデックス投資信託より本当に魅力的ですか?
その投資信託、もっと安い購入時手数料で購入できませんか?
それでも、やっぱり、セットパックの対象となっている投資信託が購入したいという方。
同じ投資信託でも、販売する金融機関により購入時手数料は異なります。一般的にはネット証券の方が安い手数料で購入する事が出来ます。
セットパックの手数料(-定期預金利息)と、ネット証券の手数料を比較してみましょう。
退職金の半分も投資して大丈夫ですか?
今後の老後資金として大切な退職金。その半分も投資信託にまわして本当に大丈夫ですか? これはインデックス投資信託でも言える事ですが、投資には必ずリスクがあります。損する可能性も十分にあるという事です。
既に投資の経験のある方なら十分理解されていると思いますが、退職金で初めて投資信託を購入される方、銀行などの「インフレなったら定期預金では実質目減りしますよ。」等の言葉に惑わされてはいけません。
よーくご自分で考えて、運用方法を考えてください。
投資信託のセールスを断る方法
退職金金利優遇定期預金の場合、殆どネットでは駄目で、店頭に直接行って申込する必要があります。その際、投資信託、あるいは投資信託と定期預金のセットパックを勧められたら?
「投資には興味ありません」と言っても良いのですが、やれインフレや老後不安など話が長くなる可能性があります。
そこで、
「既に投資しています。だけど、ノーロードで信託報酬の安い投資信託しか購入しない主義です。」
と言えば、それ以上、しつこいセールスはないかと思います。「だいすけ」は、全てこんな感じで対応しましたが、窓口の方は「そうですよね。」で終わりました。
銀行にとっては「おいしくない客」になりますが、定期預金を断られるわけではなく、ちゃんとサランラップやティッシュペーパーなどのお土産も頂きました。
以上、ペーパーファイナンシャルプランナーの「だいすけ」でした。