だいすけの早退&投資日記

50代前半で早期退職した「だいすけ」のアーリーリタイア生活と投資・資産運用(主にインデックス投資)ブログです。

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本当に必要な老後資金 ~インフレを考慮した年代別の必要資金・貯蓄額 ~

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老後資金って一体いくら必要なのでしょうか? 

一時期、老後 2,000万円問題が話題になりましたが、ネットや雑誌等でいろいろな情報が溢れています。しかし、どれもインフレを考慮していない場合が多く、かつ、今まさに老後を迎えようとしている方にとっての必要な金額であって、現在、老後の為に貯蓄をしようとしている世代にとっての金額ではありません。

例えば、2,000万円必要と言われて、それを50歳で準備したとします。これで安心してしまうと後で痛い目にあう可能性があります。インフレが起きると、今の2,000万円が、実際に老後を迎えた時、その価値が大きく目減りするからです。

そこで、インフレを考慮したうえで老後資金が一体いくら必要なのか、そして、それが各世代別にわかるよう年齢ごとの必要資金を計算してみます。

また、貯めた老後資金、取り崩す時も、そのまま眠らせておくわけではありません。運用し、利息を得ることが出来ます。今回の計算では、これも考慮しました。

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老後資金計算の為の前提条件

家族構成

夫婦二人、夫がサラリーマン、妻が専業主婦とします。

また、夫は、60歳定年退職(59歳まで会社員)で、その後、再就職せず無職・無収入とします。
*但し最終章では再就職する場合も計算

そして夫婦ともに、平均寿命よりちょっと長い90歳まで生きるとします。

 

支出

生活保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査<<速報版>>」によると、夫婦二人の生活費は、最低日常生活費が22.1万円、ゆとりある老後生活費が36.1万円となっています(いずれも平均値)。年額にすると、最低生活費が265万円、ゆとりある生活費が433万円です。

今回の計算では、支出額として、この値をベースに計算します。

但し、この値は、あくまで現時点での価額(現在価値)であり、インフレとともに支出額は年々増加します。

 

収入(基礎年金・厚生年金)

厚生労働省が公表している資料(令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)によると、

令和元年度の年金の支給額(平均)は、夫会社員、妻専業主婦の場合で、

月額 218,469円 (基礎年金を含む夫婦合わせた額)となっています。年額262万円です。

今回の計算では、収入としてこの値を使用します。

また、夫婦ともに同年齢とし、年金の受給は65歳からとします

但し、この値は、あくまで現時点での価額(現在価値)であり、インフレ(実際は主に賃金上昇率)とともに年金額は増加します。

*年金にも税金がかかりますが、ここでは無視します。

 

インフレを考慮しない場合

ここまでの条件で、インフレを考慮しなければ、簡単に計算できます。

支出(最低限) = 265.2万円 x (90 - 60 +1) = 8,221万円

支出(ゆとりある生活) = 433.2万円 x (90 - 60 +1) = 13,429万円

収入 =262万円 x (90 - 65 +1) =6,816万円

即ち、自己資金として必要な額は、

最低限の生活 : 1,405万円

ゆとりある生活 : 6,613万円

となります。

ゆとりある生活だと、インフレを考慮しなくても6,613万円と結構な資産が必要になります。

老後2,000万円問題

2,000万円問題の元となった令和元年6月3日の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、

収入 20.9万円、支出 26.4万円(いずれも月額)として、
(本記事では収入 21.8万円、支出 22.1[最低]/36.1[ゆとり]万円としています。)

この差額 5.4万円が30年で、1,968万円

約2,000万円と計算しているようです。 

さあ、ここからが本題です。インフレを考慮すると一体いくらの老後資金が必要なのでしょうか?

 

インフレ率

インフレ率として、政府・日銀が目標としている2%で計算します。(参考までにインフレ無の場合の結果も併記します)

年金受給額は基本的に賃金変動率で決まりますが、ここではインフレ率(物価上昇率) = 賃金変動率と仮定します。

さらに、マクロ経済スライドを考慮し、

年金額 = 現在の平均受給額 x ( 1 + インフレ率) x ( 1 - スライド調整率)とします。

スライド調整率は0, 0.9%, 1.3%の3通りで計算します。

 

資産運用

本試算では60歳から資産の取り崩しが始まりますが、取り崩している間も資産残高をインフレ率と同様の年利で運用するとします。

*運用といっても、インフレに負けないだけの運用をすれば良いだけですので、過去の実績では定期預金等の無リスク資産でも十分対応できます(少なくとも今までは)。

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定年までに蓄えておくべきインフレを考慮した貯蓄・老後資産(定年退職後無職)

さて、上記の前提条件のもと、60歳の定年まで(即ち59歳まで)に蓄えておくべき資産を計算します。

 

今現在の年齢ごとに必要な資産が異なる理由

必要な老後資産は、今現在の年齢によって異なります。

例えば、今現在55歳の方を例にあげると、

最小限の生活費は265万円としましたが、これは今時点での金額です。55歳のあなたが60歳になる時には、

265万円 x (1 + インフレ率)(60-55)

の生活費がないと最低限の生活が送れません。さらに61歳、62歳と年を取るごとに、(1 + インフレ率)をかけた分だけ必要な生活費が上がっていきます。

収入となる年金についても同様です。インフレ(=賃金上昇率)とともに支給額は年毎に増えていきます。今現在の平均的な年金受給額が年額262万円ですので、あなたが年金を受給できる65歳になった時には、

262万円 x (1 + インフレ率)(65-55) x (1 - スライド調整率)(65-55)

となり今の年金額より増加します。ただ、(1-スライド調整率)という乗数がかかり、インフレ率より年金額の上昇が抑えられるところがマクロ経済スライドです。

また、年金受給額は正しくはインフレ率ではなく賃金変動率で調整されますので、インフレに賃金上昇が追いついていかないと、実質的な年金はさらに低下する事になります。

*繰り返しになりますが、本記事ではインフレ率=賃金変動率としている事に注意して下さい。

このように支出、収入(年金)ともにインフレにより毎年変わっていきます。よって、必要な老後資産も今現在の年齢によって変わってくるという訳です。

 

結果

最低限の生活費とされる年間支出265万円(現在価値)の場合

[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]

定年(59歳)までに蓄えておくべき老後資金(最低限の生活) 
  インフレ
スライド
調整率
現時点での年齢
45歳 50歳 55歳 60歳
1 0% 0% 1,405万円
2 2.0% 0% 1,891万円 1,713万円 1,551万円 1,405万円
3 2.0% 0.9% 4,211万円 3,527万円 2,922万円 2,389万円
4 2.0% 1.3% 5,040万円 4,196万円 3,443万円 2,774万円

インフレ無(上表の1のケース)では、現時点での年齢に関わらず1,405万円一定となります。

一方、インフレ2%だと、例えばスライド調整率0.9%の場合(上表の3のケース)、55歳の方で2,922万円まで上がってしまいます。さらに、45歳なら4,211万円必要という結果になります。

必要な資産はスライド調整率によって大きく変わる事がこの結果から分かります。年金がいかにインフレに連動できるかがキーになるという事です。

 

ゆとりある生活とされる年間支出433万円(現在価値)の場合

ゆとりある生活を送るために必要な老後資金です。

定年(59歳)までに蓄えておくべき老後資金(ゆとりある生活) 
  インフレ
スライド
調整率
現時点での年齢
45歳 50歳 55歳 60歳
1 0% 0% 6,613万円
2 2.0% 0% 8,900万円 8,061万円 7,301万円 6,613万円
3 2.0% 0.9% 11,220万円 9,875万円 8,672万円 7,597万円
4 2.0% 1.3% 12,049万円 10,544万円 9,194万円 7,982万円

インフレ無(上表の1のケース)でも6,613万円。

インフレ2%、スライド調整率0.9%の場合、55歳の方で8,672万円、45歳なら11,220万円。

かなり厳しい結果です。ゆとりある生活を送るには、こんなに資産が必要とは!

ただ、インフレが進めば賃金や運用利回りも上がる事が期待できますので、今まで以上に資産額は増えていきます。勿論、インフレとともに生活が派手にならなければですが。

 

最低限は困るけど、そんなに「ゆとり」は要らないという方に中間的な年間支出350万円(現在価値)の場合 「プチゆとり」

ゆとりある生活を送る為の資産を用意するのはちょっと無理そう、だけど最低限でも困るという方に「プチゆとり」として、だいたい中間の値、支出350万円で見てみます。

定年(59歳)までに蓄えておくべき老後資金(プチゆとり) 
  インフレ
スライド
調整率
現時点での年齢
45歳 50歳 55歳 60歳
1 0% 0% 4,034万円
2 2.0% 0% 5,429万円 4,917万円 4,454万円 4,034万円
3 2.0% 0.9% 7,749万円 6,731万円 5,825万円 5,018万円
4 2.0% 1.3% 8,578万円 7,400万円 6,346万円 5,403万円

インフレ無(上表の1のケース)では4,034万円。

インフレ2%、スライド調整率0.9%の場合、55歳の方で5,825万円、45歳なら7,749万円。

せめて、これぐらいは確保しないと、老後に全く余裕のない生活になってしまう可能性があります。

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定年後も年金受給(65歳)まで働いた場合のインフレを考慮した貯蓄・老後資産

前章までは定年後無職・無収入としていましたが、本章では定年退職後も再就職し、年金を受け取るまでの64歳終了時点まで働くとします。ただし、60~64歳の収入は、その間の生活費を賄うだけのものとし、貯蓄は出来ず、また厚生年金の被保険者にもならないと仮定します。

即ち、60~64歳の収支はちょうど0、厚生年金受給額は前章と同じという事です。

ここでは年間支出350万円の「プチゆとり」で計算します。

[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]

定年(59歳)までに蓄えておくべき老後資金(プチゆとり)
定年後再就職
  インフレ
スライド
調整率
現時点での年齢
45歳 50歳 55歳 60歳
1 0% 0% 2,284万円
2 2.0% 0% 3,074万円
2,784万円
2,521万円
2,284万円
3 2.0% 0.9% 5,393万円
4,598万円
3,893万円
3,268万円
4 2.0% 1.3% 6,223万円
5,267万円
4,414万円
3,653万円

60~64歳も働く事で、だいぶ現実的な貯蓄額、老後資金になったのではないでしょうか?

60以降無職・無収入の場合との差額を下表にまとめます。

定年(59歳)までに蓄えておくべき老後資金(プチゆとり)
定年後再就職と無職の差額
  インフレ
スライド
調整率
現時点での年齢
45歳 50歳 55歳 60歳
1 0% 0% 1,750万円
2 2.0% --- 2,355万円
2,133万円
1,932万円
1,750万円

*スライド調整率が異なっても差額は変わりません。

60~64歳まで、その間の生活費を補う仕事をするだけで、必要な貯蓄額は1,750~2,355万円も少なくなります。

言い換えれば、60~64歳の無職・無収入の期間が老後資金に大きな影響を与えるという事です。

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まとめ

支出額として3つのパターン、またインフレ無、インフレ2%、そして年金のスライド調整率を3通りで計算し、それを年代別に必要な貯蓄額・老後資金としてまとめました。

インフレを考慮すると、予想していたより巨額な老後資金が必要になります。

特に若い世代ではその影響が大きくなり、またマクロ経済スライドによる実質的な年金削減も大きく影響していく事がわかります。

勿論、2%のインフレがこの先ずっと続く可能性は少ないかもしれませんが、一方で全くインフレを考慮しないというのも危険に思えます。

尚、老後資金が足りないという方は、60歳以降も再就職し、せめて年金を受給できる65歳到達までは、その間の生活費を補うだけの仕事をするだけでかなり楽になります。

 

早期退職・アーリーリタイアする為の資産額は下記記事をご覧下さい。

 

 

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