早期退職・アーリーリタイアすると、サラリーマンの場合、将来受け取るであろう老齢厚生年金が減額されます。
これを具体的な金額で見てみます。
老齢厚生年金の支給額は平均標準報酬額により変わります。
スポンサーリンク
平均標準報酬額とは
概ね月収に年間ボーナスの1/12を足したものです。
月収とは税金などが控除される前の金額で残業代や交通費も含まれます。
今、早期退職しようと思っている方は、(退職しなかった場合も給与が上がらないと仮定して)昨年の年収/12と思っても良いでしょう。
老齢厚生年金の減額分
65歳から84歳までの20年間、年金を受け取ると仮定して、その間のトータルの老齢厚生年金受給額の減少分を計算してみます。
60歳を定年とし、定年まで働いた場合との差額です。
*単位 : 万円
平均標準報酬額 | |||||||
月額 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | |
年収 | 360 | 480 | 600 | 720 | 840 | 960 | |
早 期 退 職 年 齢 |
59歳 | 39 | 53 | 66 | 79 | 92 | 105 |
58歳 | 79 | 105 | 132 | 158 | 184 | 210 | |
57歳 | 118 | 158 | 197 | 237 | 276 | 316 | |
56歳 | 158 | 210 | 263 | 316 | 368 | 421 | |
55歳 | 197 | 263 | 329 | 395 | 460 | 526 | |
54歳 | 237 | 316 | 395 | 474 | 552 | 631 | |
53歳 | 276 | 368 | 460 | 552 | 645 | 737 | |
52歳 | 316 | 421 | 526 | 631 | 737 | 842 | |
51歳 | 355 | 474 | 592 | 710 | 829 | 947 | |
50歳 | 395 | 526 | 658 | 789 | 921 | 1,052 | |
49歳 | 434 | 579 | 723 | 868 | 1,013 | 1,158 | |
48歳 | 474 | 631 | 789 | 947 | 1,105 | 1,263 | |
47歳 | 513 | 684 | 855 | 1,026 | 1,197 | 1,368 | |
46歳 | 552 | 737 | 921 | 1,105 | 1,289 | 1,473 | |
45歳 | 592 | 789 | 987 | 1,184 | 1,381 | 1,579 |
*年額を知りたい方は、上記数字を20で割って下さい。
当然、収入の多い方程、減額幅は大きくなります。
例えば、50歳で早期退職する場合、平均標準報酬額が40万円の方だと526万円の減額ですが、70万円の方だと921万円と1千万円近い額になります。
尚、上記計算はインフレによる年金額増加などは考慮していません。
公的年金は終身年金であるところに、さらなるメリットがあります。
老齢基礎年金、老齢厚生年金等の公的年金は終身年金です、生きている限り年金を受給できます。
上記計算は84歳まで生きた場合の計算ですが、もし100歳まで生きれば、さらに、その差は広がります。
仮に、公的年金だけで生活できるとしたら、年金受給開始時の貯蓄額は0でも大丈夫という事になります。そうでない場合、もし予想より長生きした場合も考えて、例えば、100歳まで生活できる為の資産(年金との差額)を蓄えておかなければならないのです。
こういった長生きリスクを考えると、上記差額は、その金額以上の差があると思った方が良いでしょう。
尚、自分が若くして亡くなったとしても、老齢厚生年金の3/4は遺族厚生年金として配偶者に支給されます。その分の損失をも考えておかなければなりません。
まとめ
以上、早期退職・アーリーリタイアは、その後の収入が無くなるだけでなく、老齢厚生年金の大きな減額をも考えなくてはいけません。
言い換えれば、それだけサラリーマンの厚生年金は恵まれているのです。
早期退職で自由を勝ち取るには、金銭的に大きな犠牲を強いる事になります。
それでも、早期退職しますか?
自由を勝ち取るにはお金がかかるんです。
「だいすけ」は、やっちゃいましたが。。。