(ペーパー)ファイナンシャルプランナー「だいすけ」がおくる「人生のキャッシュフローを作ろう」シリーズ4回目です。
今回は年金の税金について解説します。
「人生のキャッシュフローを作ろう(2)」で、ねんきんネットでご自分の年金額を確認しましょうと書きましたが、この年金、まるまる貰えるわけではありません、年金にも税金がかかります。
但し、年金額すべてに税金がかかるのではなく、給与所得控除と同じように、ある一定額までは控除される、公的年金控除というものがあります。
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公的年金控除
国民年金や厚生年金などの公的年金、それに確定拠出年金等の収入は、雑所得に分類されますが、下表に示す金額が控除(*)されます。
(*) 下表の(a) x (b) - (c) で計算された金額が所得になり、これに基礎控除などの各種控除を引いた金額に対して税金がかかります。
年齢 | (a)公的年金等の収入金額 | (b)割合 | (c)控除額 |
65歳未満 | 130万円未満 | 100% | 70万円 |
130万円以上 410万円未満 | 75% | 37.5万円 | |
410万円以上 770万円未満 | 85% | 78.5万円 | |
770万円以上 | 95% | 155.5万円 | |
65歳以上 | 330万円未満 | 100% | 120万円 |
330万円以上 410万円未満 | 75% | 37.5万円 | |
410万円以上 770万円未満 | 85% | 78.5万円 | |
770万円以上 | 95% | 155.5万円 |
65歳未満だと70万円まで、65歳以上なら120万円までの公的年金収入であれば、課税所得は0となります。
基礎控除やその他控除を引いて、最終的な税額を計算
さらに、全員に適用される基礎控除(所得税38万円、住民税33万円)、条件が満たせば配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除、医療費控除などの各種控除額を引いた額が課税所得となります。
課税所得 = 年金収入 - 公的年金控除 - 基礎控除 ( - 配偶者控除、扶養控除、社会保険控除、医療費控除等の各種控除)
*収入が公的年金の場合です。それ以外の収入がある場合は、その所得を足す必要があります。
*上式の(年金収入 - 公的年金控除)が、上表で計算した結果になります。
所得税
課税所得に下表の税率をかけて、控除額を引いた値が所得税となります。
課税所得 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
住民税
住民税の場合、所得によらず、課税所得の10%が課税されます。
さらに、課税所得の10%に加え、均等割として5,000円が追加されます。
課税所得は、基礎控除や各種控除額が所得税より少ないため、所得税に対する課税所得とは異なる金額になる事に注意して下さい。
国民健康保険料
国民年金保険料も、所得により変わってきます。保険料は、市町村により大きく異なりますので、お住いの市町村のホームページや役所にご確認ください。
また、多くの年金をもらえる方や他の所得もある方は、所得が一定額を超えると、現役並み所得者として、医療費負担も3割負担となりますので、ご注意ください。
「だいすけ」のキャッシュフロー
「だいすけ」のキャッシュフローでは、このようにして計算された税金も考慮して、実際に受取れる年金額を見積もっています。
但し、各種控除は、基礎控除のみとして、多少、余裕を持った(税金を多めに見積もった)計算にしています。
勿論、最初からこういうキャッシュフローを作ったわけではありません。初めて作ったキャッシュフローは、税金どころか、インフレさえ考慮していない、非常に適当なものでした。
キャッシュフロー、最初から全てを盛り込むと、時間がかかったり、良く分からないところも出てくるかと思います。先ずは、ラフなものを作って、その後、徐々にブラッシュアップしていけば良いかと思います。
(注意)「だいすけ」は残念ながら税理士の資格を持っていません。ここで解説した内容は一般的な事を書いただけですので、詳細は税理士、もしくは税務署にご確認ください。