日経新聞などが「企業型確定拠出年金の拠出期間を70歳まで延ばす、iDeCoも65歳まで延ばす方針」等と報じ、さらに「退職所得控除の見直しを議論」というニュースもあり、SNS上では、アンチiDeCoの方を中心に「iDeCOなんて加入すべきじゃない」、「国の制度なんて信用できない」みたいな意見があふれています。
だけど、それって、ちょっと安直すぎやしませんか?
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iDeCo 拠出期間の延長は喜ばしい事!
60歳で完全にリタイアする人って今でもそう多くないはず、年金受給額が減る可能性がある将来は、さらに多くの方が60歳以降も働かざるを得ないでしょう。
政府だって「一億総活躍社会」とかいって、定年延長を企業に働きかけているぐらいですから。
そういう時代にあって所得控除を受けられる拠出期間の延長は喜ばしいニュースであって、決してデメリットなんかじゃありません。
受給開始年齢を引き上げるとは言っていない。
多分、アンチiDeCo派は、拠出期間延長 = 受給開始年齢引き上げと勝手に思っているのでしょう。
少なくとも「だいすけ」が知る限り、そんなニュースは聞いたことがありません。
勿論、将来、受給開始年齢引き上げという可能性も否定はできませんが、それはそれで、60歳以降も働く方が多い現状では致し方ない事。
多くの方にとって、そう大きなデメリットではないでしょう。
iDeCoの目的はあくまでリタイア後の収入確保=年金なのですから。
まあ、理想的には受給開始年齢を自由に選べること、現状の60~70歳が60~75歳とかになればいいですね。
特別法人税、退職所得控除だって損得は定量的に判断しないと!
凍結を繰り返している特別法人税、将来、復活する可能性も否定は出来ません。
そして退職所得控除、これは勤続年数20年を境に増える控除枠を見直して、転職を繰り返し短期間で退職する方との不公平、年金控除との不公平を是正するのが主たる目的かと思います。
まあ決まった事ではないので分かりませんが、iDeCoに対しては加入期間の長い方に対しては不利、逆に短い方には有利となる可能性もあります。
ただ、これだけの情報をもって、
特別法人税の復活があるからiDeCoなんて加入すべきじゃない、
退職所得控除が減額されるからiDeCoは損する、
なんて考えは短絡的すぎます。
退職所得控除は、企業からの退職一時金がある方だと、そもそもiDeCoに対しては受けられない可能性があると既に分かっている事。
また、退職一時金が殆どない方は退職所得控除の範囲内で掛け金を調整する事だって出来ます。
そして、何よりも損得を判断するのに、ちゃんと計算して定量的に判断しないと駄目でしょう。
拠出時に受けられる所得控除の恩恵を忘れてはいませんか?
課税所得(=税率)にもよりますが、特別法人税が復活、退職所得控除を全く受けられなくても得する場合があります。
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iDeCoは一般的な方が老後資金(=年金)を形成する為の制度
アンチiDeCo派の方には海外株、国内株取引がメインで、その運用に自信を持っている方が多いように思います。
iDeCoは投資を趣味にする方というより、もっと一般的(ちょっと語弊があるかな?)な方こそ利用すべき制度なんです。
自分で運用、十分な資産形成できるって方は、iDeCoなんて加入せず好きにやればいいんです。
投資にそう興味あるわけでもないし、時間もさけない、そういう方が投資信託を使って余裕資金で自分年金を作るのがiDeCo。
*「つみたてNISA」では商品に制限を設けていますが、本来はiDeCoこそ制限をかけるべきだと思うけどな・・・。
iDeCOはアーリーリタイアの為の資産形成を手助けするものではない。
繰り返しになりますが、iDeCoは60歳、いやそれ以降も働く方の為の制度です。
「一億総活躍社会」と反するアーリーリタイアを手助けするものではありません。
既にアーリーリタイアした「だいすけ」ですので、前に↓のような自分勝手な考えを書いたこともあります。
本音はこんな感じですが、あくまで国の制度なんで仕方ないですね。
サラリーマン時代に十分な所得控除を受けているわけですし。
アーリーリタイアとiDeCoで得する事も
アーリーリタイアには冷たい制度のiDeCoですが、決して損する事ばかりではないです。
一つは、非課税でリバランス(スイッチング)が出来る事、十分活用させてもらってます。
そして、もっと大きいのは退職所得控除を2回フルに使える事。
「だいすけ」は早期退職時に退職一時金(割増退職金)をもらって退職所得控除を使用しています。本来ならiDeCoでは退職所得控除を受けられないところですが、退職一時金をもらってから15年以上(正確にはiDeCo受取の前年14年以内)空ければ、もう一回退職所得控除をフルに受けられます。
しかも、「だいすけ」の場合、確定給付型の企業年金から確定拠出年金に移管されたので、加入期間は入社から40年近くあります。
今は、この加入期間に相当する退職所得控除、そして、退職後もいくらかの収入があるので、その課税所得を考えつつ毎年の拠出額を決めています
まとめ
以上、個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットに対する反論でした。
確かに、受給時の税制優遇は国の方針で変わる可能性がある、かつ予測不可能な所もあるなど複雑な制度ではありますが、所得控除を受けられる方にとって有利で制度である事には変わりありません。
勿論、60歳まで、いや、それ以上も働く方にとって。